トリマーになりたい!

トリマーのここが大変

動物好きの人にとって、毎日いろいろな犬と触れ合いながら仕事ができるトリマーは、理想的な仕事のように思えます。しかし、実際にはトリマーは決して楽な仕事ではありません。体力的にも精神的にもかなり負担が大きいため、もちろん犬が好きでなければ勤まりませんが、それだけでも続かない仕事だといわれます。
トリマーの仕事でまず大変だといわれるのは、力仕事が多いことです。トリミングをするときには、トリミングテーブルという台の上に犬を上がらせて、作業をしやすい高さにすると同時にその高さで犬をおとなしくさせます。小型犬なら問題ありませんが数十キロもある大型犬を台に乗せるのは、それだけでも一苦労。また、シャンプーのために水道へ移動させたりと、一度乗せたら終わりというわけではありません。立ち仕事なので足も疲れますし、腰も痛めます。
また、怪我の多さなども大変なポイントの一つです。犬にとっては慣れない相手に体を触られたりシャンプーされたりされるわけですから、嫌がる場合ももちろんあります。専門学校で練習する犬は、専門学校で飼育されていてトリミングに慣れている犬がほとんどですが、お客様の犬はそういうわけにはいきません。始めのうちは噛まれたり引っかかれたりは日常茶飯事で、跡が残ることもありますし、シャンプーによる手荒れも起こります。トリマーの手や腕が傷だらけなのは、とてもよくあることなのです。
実際には専門学校を出ただけでは一人前とはいえず、技術の面ではトリマーとして働くようになってから学ぶべきことがたくさんあります。しかし、トリマーは職人の世界ですから、新人に手取り足取り教えてくれるような職場は稀で、実際にはシャンプーや掃除などをこなしながら先輩の技を盗み、自分から積極的に練習して技術を磨かないとカットもさせてもらえないのが普通です。当然厳しく叱られたり怒鳴られたりということもあるでしょう。それでも喰らいついて頑張った人だけが一人前になれるのです。初任給は決して高いものではありませんし、数年の経験を積んでもそれほどお給料が多いわけではありません。独立を果たせば収入アップが期待できますが、その代りかなりの営業努力が必要になります。犬の散歩に来る人が多い公園でチラシを配ったり、地道にポスティングしたりといったころを続けて、ようやくお客さんがつくようになってきます。
好きなことを仕事にできて、夢のような仕事だと思うかもしれませんが、実際にはつらいことも多い職場です。それでも犬と仕事をしたいと思う人でないと続かない仕事です。実際に、新卒で就職後数年以内にやめていく人もかなり多いといわれます。しかし、一人前になれば職人として長く働ける仕事ですし、慣れてくれば噛まれる回数もずいぶん減るのでやりやすくなります。ぜひ頑張って続けてみてくださいね。

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