トリマーになりたい!

出張トリミングサービスを開業する

トリマーとして独立開業する人の中には、店舗を構えることなく出張トリミングサービスを行う場合があります。店舗がないぶん、最初の開業資金は安く済みますが、実際に営業していく上ではなかなか苦労も多いようです。
出張トリミングにもいくつかのパターンがあります。まず、お客様の家にうかがって、浴室などを借りてそこでシャンプーなどのグルーミングやトリミングを行うというもの。この場合は、水道や電気はお客様の家のものを使います。ドライヤーなどは専用のものを持ち込む形です。基本的にはサロン並みの仕上がりができるので、わざわざサロンに連れて行くのが大変だという人には便利なサービスです。ただし、飛び散る犬の毛で汚したり排水溝に流れてしまったりしないようにするのが大変で、飼い主にしても自宅を汚される可能性があるというデメリットがあるため、嫌がる人もすくなくありません。また、サロンのトリミングテーブルに乗せてしまえば高さのせいもあって大人しくなる犬でも、自宅という自分のテリトリーで、トリミングテーブルもない状態ではかなりわがままになってしまい、トリミングに苦労することもよくあります。そういう意味ではお客様の家で行う出張トリミングは難しいかもしれません。成功するパターンとしては、その犬の普段のケアを丁寧に説明するなど、トリミング以外でもお客様に喜ばれる付加価値が必要です。
出張トリミングのもう一つのパターンが、トリミングカーによる出張トリミングです。これは、キャンピングカーの中にトリミングサロンを作ってしまったような感じで、シャンプーからトリミングまですべてこの車の中で行います。これならばお客様の家を汚すことなく、犬も大人しくなりやすいので作業はスムーズにいくはずです。しかし、このトリミングカーにもデメリットがあって、水道と電気の確保が大変。大型犬のシャンプーも十分に行える量の温水を搭載するはかなり大変ですし、犬を乾かすドライヤーは一般のドライヤーよりも高出力のものを使うにもかかわらず、トリミングカーのドライヤーでは十分なパワーを出すことができないのです。ドライヤーの出力が低いということは、乾かすのに時間がかかるというだけではなく、毛並やツヤなどの仕上がりにも大きくつながってくるので電力不足はトリマーにとっては致命的です。
また出張とは違いますが、送迎サービス付きで、サロンではなく自分の自宅に連れ帰ってトリミングをするというパターンもあります。これならば、多少毛が飛び散っても大丈夫ですし、ドライヤーの出力も大丈夫なのでどちらの問題点もクリアできます。ただし、この場合は犬を預かる形になるので、動物取扱業の登録申請などをする必要があります。

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